活き活きと暮らすための取り組み

以下の3つの課題に取り組んでいます

1.転倒・転落の予防

2.適切な排泄ケア

3.睡眠の改善


私たちの介護の基本方針は、できる限りは、心も身体も活き活きと豊かな暮らしを継続、あるいは再び取り戻して頂くための支援をさせて頂くことにあります。余生を静かに、のんびりと送って頂くようなために身の回りのお世話をさせて頂くという介護方針ではない、ということです。

たとえ身体が思うように動かないとしても心は豊かに、認知機能は衰えても感情は豊かな生活が過ごせるような支援を心がけています。

 

そのために考えなければいけないことは、活動的な暮らしを目指せば転倒や転落事故のリスクが増える、という現実です。高齢者の転倒・転落は重大な障害に結びつきやすく、状況によっては寝たきりの状態なってしまうことも少なくありません。活動的で豊かな暮らしを目指す方針が、かえってご利用者の健康寿命を縮めてしまうことになってしまうことは何としても避けなければならないことです。

 

転倒・転落による事故を防ぐためには、転倒・転落そのものの予防、そして転倒・転落の結果としての受傷の予防の両方に取り組む必要があります。

 

そして転倒・転落の原因の一つに排泄行為、特に夜間の排泄が大きく関与していることがわかっています。尊厳を大切にする意味からも、排泄の自立を妨げない方策という点からもいわゆる「オムツ」の安易な使用は行わない方針ですが、排泄行動に伴う転倒・転落の予防と夜間の睡眠を妨げないために、全職員がオムツの研修を受け、排尿障がいの原因や尿量などのアセスメントを行った上で「オムツ」の選択を行っています。

 

夜間の排泄頻度が多くなること(頻尿)は、睡眠を妨げます。睡眠障がいは、日中の活動や覚醒を阻害し、転倒・転落のリスクを増幅させます。夜間頻尿には複数の原因がありますが、その一つに水分量との関係が大きいことがわかっています。必要水分量と排尿量、排尿時間、排尿間隔などをアセスメントしたうえで適切な排泄ケアを計画することで、夜間の排尿頻度を減らし、夜間に十分な睡眠がとれるようにする。その結果として、夜間の不完全な覚醒状態での排泄行動に起因する転倒・転落を減らし、日中の活動と生活の質の向上につなげたいと考えています。

 

適切(科学的)な排泄ケアと睡眠障がいの改善プログラムにあたっては、新潟医療福祉大学の今西准教授のご指導を頂いています。睡眠センサーによる睡眠分析、水分量と尿量測定、膀胱内尿量測定器による残尿測定、排尿間隔、排便評価、など多種にわたるアセスメントから、日中の活動的で質の高い生活を得るために、事故リスクを減らす取り組みを行っています。